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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

ジェームズ・ボネット「クリエイティヴ脚本術」

クリエイティヴ脚本術―神話学・心理学的アプローチによる物語創作のメソッド

クリエイティヴ脚本術―神話学・心理学的アプローチによる物語創作のメソッド

  • 作者: ジェームスボネット,James Bonnet,吉田俊太郎
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本
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昨日に続いて、ユング心理学を応用した本をご紹介。ジェームズ・ボネット「クリエイティヴ脚本術」は、古今東西の映画を分析して、その物語と登場人物の中にアーキタイプ(元型)を含む、ユング心理学の諸要素を見出そうとする一冊です。

たとえばアーキタイプの「ヒーロー」インディ・ジョーンズに例えたり、「アニマ ダーク」を「氷の微笑」のシャロン・ストーンに例えるなど、例示が明解なうえ、古典に相通ずる物語構造を、集合的無意識やメタファーで紐解くなど、現代の神話として、映画脚本を構築しようとする意義深い内容が詰まっています。

スペース・オペラの書き方―宇宙SF冒険大活劇への試み (ハヤカワ文庫JA)
 

自分も作家としてデビューする前は、野田昌宏氏の「スペース・オペラの書き方」等を読み、長編小説の組み立て方、キャラクターの作り方などを孤独に学びつつ、サラリーマン仕事が終わった深夜に、ちょこちょこ投稿原稿を書いていました。あの投稿時代のように、本書をマニュアルにして何か書いてみたい気もしますね。

勿論、作品の根底にユング思想があるからと言って、面白くなる保証は無いけれど、古典的な物語創りを学ぶ、という意味では、それもまた一興かと。