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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

スーザン・テセンガ「防御なき自己 パスワークを生きる

防御なき自己―パスワークを生きる

防御なき自己―パスワークを生きる

  • 作者: スーザン・テセンガ,二宮千恵
  • 出版社/メーカー: ナチュラルスピリット
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昨日ご紹介した「パスワーク」が理論編なら、この「防御なき自己」は実例&実践編。本書では、仮面を被って生きてきた人々が数多く登場し、彼らが抱えるネガティブさとその原因、解決に至る道を取りあげています。完璧主義の母親に認められたいがために、自らに批判的になった女性。同性愛に嫌悪を示す父親と、AIDSに冒されたゲイの息子の確執。子供の頃の性的嫌悪感を引きずって、不仲になっていく夫婦等々……

そんな彼らの多くが、夢の中で、彼らが抱えるネガティブさと出会い、その夢解釈と、ネガティブさを解消するための方法論が個別に紹介されています。内容としては、心理カウンセリング実例集に近いでしょうか。正直、理論編である「パスワーク」をすっ飛ばして、先に「防御なき自己」から読んでも全然OKな気がします。具体的な実例が多いので、「ああ私もそうだ!」と共感するかも。

もしもパスワーク的に、先日発覚したオリンピック女子柔道の暴力問題を解くなら、「たとえオリンピックのためでも我慢できないものは我慢できない」と表明する方が、心の奥にその気持ちを隠しておくより、ずっと健康的……ということになるようです。勿論それが「コーチなんて大嫌い!」「今にみてろ!」「復讐してやる!」といった、相手を傷つける表現ではなく、単純に「私は怒っています」という自己表明ならば。

しかし怒りを秩序だって表現することは、霊的に目覚めていても難しく、本書でもカウンセラーの見守る環境で「殺してやる!」と怒りを爆発させる者もあり。そのような破壊エネルギーを、健康的な方向へ転換するためには、やはりカウンセラーが見守る環境で、ソファを叩く、タオルを締め上げるなど、無生物に怒りをぶつける方法も推奨されています。イライラやストレスを抑える方法を解く本は数あれど、自分の中に、どうやっても抑えきれない怒りが見つかった方には、正規の心理カウンセリングは勿論、このパスワークもお薦めします。

パスワーク(新装版)―自己のすべてを受け入れ統合された意識で生きる

パスワーク(新装版)―自己のすべてを受け入れ統合された意識で生きる