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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

「宇宙は本当にひとつなのか 最新宇宙論入門」

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

 

「宇宙は本当にひとつなのか」を読了。本書は、暗黒物質と暗黒エネルギーや、宇宙の加速膨張等、近年の宇宙論をまとめて平易に解説した一冊で、異次元、多元宇宙と云った、SF的タームについても真面目に考察しています。

勿論、あくまで科学的な考察が連ねられているのですが、突き詰めて考えていくうち、哲学的かつ神秘的な境地に達するのが興味深いなと。

この宇宙の物理法則を見なおして見ると、人間が出現するための条件がそろうようにできているのです。例えば、暗黒物質があるおかげで、星や銀河が生まれましたし、量子力学の法則が存在するおかげで、原子が潰れずに存在でき、私たちの身体も潰れずに済んでいます。(p190)

そのようなことを一つ一つ考えていくと、この宇宙はうまくできすぎているのです。(p191)

宇宙が「できすぎ」なのは、神のような超越的存在が宇宙を創ったため、初めからうまくデザインされているのだという考え方もあり得ます。宇宙は試行錯誤の「たまたま」うまくいったものなのか、超越者が非常にうまく考えてつくったものなのか。(p.193)

本書中に、宇宙の中で星と銀河はたった0.5%に過ぎないとあります。ニュートリノは0.1%~1.5%だそうで、普通の原子は4.4%とのこと。つまり残りの95%近くは、未知の暗黒物質と暗黒エネルギーだそうで、如何に人類が、まだまだ宇宙について知らないかを物語る数字だと感じました。

それにしても本書の帯に「10万部突破!!」とあるのは凄い。こういった本が広く読まれているあたり、日本人の科学好きが反映されているかも。