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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

「うしろ向きに馬に乗る プロセスワークの理論と実践」

うしろ向きに馬に乗る―「プロセスワーク」の理論と実践

うしろ向きに馬に乗る―「プロセスワーク」の理論と実践

 

プロセス指向心理学者アーノルド・ミンデルの「うしろ向きに馬に乗る」を読了。プロセスワーク自体は、ユング心理学や東洋思想等を統合した思想で、何やら掴みづらい印象があるのですが、本書はワークショップの実戦記録のため、基本的に会話形式で進められているためか、割合と読みやすく。タイトルにもあるアメリカ先住民のトリックスターが行う行為については、

うしろ向きに馬に乗ることは、人生に対して「この病いはとんでもない」と言いながらも、それと同時に、「でも、これはなんと興味深いのだろう」と言うことを意味しています。

……と、発想の転換によって、世界を見る目を変えることだとか。それによって苦痛が苦痛だけではなくなり、もっと多様な経験に変容すると。普段、自分が行っている行為、湧き出してくる感情についても、思いきって視点を変えて見ることで、その奥にある真因に気づくこともあり、内的観察の一方法として、興味深く読み進めました。

いや病気の時に違う見方なんてできない、と思う方が大多数かもしれませんが、V.E.フランクルのように、アウシュヴィッツ強制収容所に入れられながらも、精神分析学者として、監督官や被収容者を観察する目を持った人もあり、今、自分が置かれた状況を、うしろ向きに馬に乗って見てみるのも大事かと。

夜と霧 新版

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