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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

ゲイ&キャスリン・ヘンドリックス「コンシャス・ラブ」

「コンシャス・リビング」に続いて同著者の「コンシャス・ラブ」を購入、読了。こちらは奥様のキャスリンとの共著。

本書では「意識的な生き方」と同じく「意識的な愛し方」を説いています。いくら愛し合っていると思っていても、お互いの問題から目を背けたままの「無意識な愛し方」では、いずれその問題が浮上し、二人の関係はぎくしゃくすると。いやぎくしゃくするだけならまだしも、自己破壊を助長するような関係(アルコール依存症で苦しむ妻に「かわいそうだから」と酒を買い与えてしまう夫)に陥ることもあり、そのあたりを意識的に改善していこうと云うものです。

 

僕自身が思い当たった問題は「なんとかして衝突を避けようとする」でしょうか。トラブルが起きるくらいなら自分が我慢すればいい……と思っていたのは事実ですね。一応2012年12月にその限界が来て、自分の気持ちをはき出してからは随分楽になりましたが、今から振り返ると「我慢することは良いことだ」と思っていた期間はずいぶん長かったなあと呆れますね……。

しかし「意識的な愛し方」を実践していれば、それで永遠に幸せを感じられるかと云えばそんなこともなく。いつの間にかケンカになったり、不愉快になる現象を本書では「アッパー・リミット問題」と呼んでいます。

人間には、肯定的なエネルギーを受け止められる臨界点(リミット)があり、ある程度、幸せが続いた後には、不愉快を経験しなければならないと勝手に思う心理が働くのだとか。本書中でも神秘主義グルジェフの言葉が引用されていますが、

弟子の悪い癖のなかで、やめさせるのにいちばん苦労するものが苦しみへの嗜癖である

アルコールや煙草を断つことはすぐにもできるのに、人生を苦しいものにしたがる癖だけは、しぶとくつきまとう

……のだそうです。まあ僕自身、我慢への嗜癖がありましたし。

実際「こんな幸せがいつまでも続くはずがない」「人生は苦しいものだ」とネガティヴに考える方が人間にとっては自然なのかもしれません。人類は進化の過程で様々な困難に直面し、それについて悩み続けて来たので、悩むことには慣れ、悩みのない幸せな状況には慣れていないとも書いています。

この肯定的な臨界点=アッパー・リミットを拡大するためには、いったん二人の間で距離を置く、小さくてもいいから見つけ出した事実を語ってみる、身体を動かす、不平があるなら要求に変えてみる、信念を改善する、等が挙げられています。

自分の限界を広げることはなかなか難しいでしょうが、自分は限界を設けてしまっていると認識するだけでも、かなり意識が変わるような気がします。人生で、先に進もうとした時に恐怖や罪悪感を覚えたとしたら、そこに自分のアッパー・リミットがあるのかもしれません。

 

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