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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

アラン・ワッツ「『ラットレース』から抜け出す方法」

「ラットレース」から抜け出す方法

「ラットレース」から抜け出す方法

 

思想家アラン・ワッツの「『ラットレース』から抜け出す方法」を読了。タイトルだけでは何の本だか分かりにくいのですが、原題は「The Book:On the Taboo Against Knowing Who You Are」=あなたが何者であるか知ることに対するタブー……です。

ワッツ曰く、自分と云う意識は、肉体の中に閉じ込められていて、他人や外界、神とは切り離された存在である……という認識は幻想であると。実際には、インド哲学ヴェーダーンタ学派が説くように、宇宙と自己は同一であり、それが事実だと知ることは他の宗教においてタブーになっていたと述べています。(自分=神という恐れ多い考え方になってしまうので)

そしてこのタブーを破って真の自己を理解しようとするならば、自分がどのような環境にいて、そこで何をし、どのように振る舞っている存在なのかを知る必要がある。自分と環境(宇宙であり世界)は密接に調和しているのだから、そこに明確な境界線を引くことは難しいとしています。

ここでワッツは占星術を引き合いに出し「何かしらの真実が含まれていることがある」としています。これは占星術が、ワッツの説くように個人と宇宙を結びつけたものだからでしょう。人間はホロスコープに現れた宇宙の瞬間を映し出された存在であり、生まれた後も日々、星々からの影響を受けている。真の自分を知ろうと思ったら、宇宙的なシステムとその影響も知る必要があるのかもしれません。

 

ヒューマンデザインでも、自分が直面する環境が導き出されます。それは大抵、逆風を感じるような環境なのだけれど、そこにいてこそ人生の目的が果たせると言われています。そうすると自分だけを観察するのではなく、自分が今いる環境で、そこで出会う人々にどう振る舞っているかまで見ないと、真の自分が理解できないわけです。今いる場所、今つきあっている人、それらすべて含めて自分なんだと。

 

自分と宇宙が同じであると云う考え方をさらに知るために、ヴェーダーンタ学派についてもっと触れてみましょうか。