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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

ドミニック・ローホー「屋根ひとつ お茶一杯」

屋根ひとつ お茶一杯 魂を満たす小さな暮らし方

屋根ひとつ お茶一杯 魂を満たす小さな暮らし方

 

フランス人著者による禅的シンプル暮らしを説いた「屋根ひとつ お茶一杯」を読了。書店でぱらぱら立ち読みした際、「孤独の無い人生に喜びはない」という章タイトルを見て、ホントそうだよなあと共感して即購入しました。

「孤独」と聞くとネガティヴな印象を受けがちですが、社会に出れば、否が応でも他者からの影響を受けてしまうものです。そこからいったん距離を置き、いつもの自分に立ち返る場として「孤独」でいられる自分の部屋が大切になるわけで、自分を癒やし、思索に耽る時間としての「孤独」は必要なものだと思うのです。

その「孤独」な空間では、自分に立ち戻ることができれば良いので、贅沢な調度品も、あふれんばかりのモノが必要なワケでもない。むしろ所持品を減らし、空間と時間にゆとりを持てば人生も身軽になれる、というのも納得。

僕も以前は資料やら何やら集めまくっていましたが、ここ一二年でずいぶんモノを処分してきました。それを持っている時は「いつか使うかもしれないから」「これは価値があるものだから」と思っていたけれど、手放してみても特別困ったことは何もなく、ただ単に部屋が片づいて良かったなあと感じています。それでもまだ所有物は多いので、これからも少しずつ処分は続けていくつもりです。

今までは世の中で、モノをたくさん持つこと、贅沢品を持つことが幸せにつながる、と思われていたけれど、徐々にその価値観も世の中から薄れていくのでしょう。そうなると、今までモノをたくさん売って潤っていた商売や、贅沢品を売る商売が困ることになる。だから何とか今までの価値観を維持しようとする人も出てくるかもしれませんが……まあ、長い目で見れば無理かなと。人がシンプルに生きていこうとする流れは、たぶん止められないでしょう。

近いうちに、今までのやり方も生き方も通用しなくなる。なんとなくそう思います。