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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

【ヒューマンデザイン】その人の神話=秘密を聞く

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

 

中沢新一の神話学入門講義「人類最古の哲学」を読了。

ヒューマンデザイン・システムが導き出すインカネーションクロス(受肉した運命、人生の目的、魂の使命)は、その人特有の神話のようなものです。その人が、本来の自分として生きた時、そこに至ると言われている、その人自身の物語です。様々な情報を分析すれば、その人がどう生まれ、何と出会い、どんな冒険をし、何を得るのかがぼんやりと見えてくるのです。そう、ぼんやりと。なにしろ創始者ラーが遺したインカネーションクロスの情報は、かなり曖昧で、隠喩も多く、解釈に苦労する部分も多いのです。これ結局、どんな物語なんだよ?と首をひねることもしばしばです。

そこで、神話が持つ構造を理解し、そこに散りばめられた教訓、試練、報酬などを理解しておくことで、インカネーションクロスも理解しやすくなると感じています。本書でも神話のアーキタイプとして「結婚したがらない娘(かぐや姫)」や「分離された高い者と低い者の結合(シンデレラ)」などが紹介されていますが、実際にシンデレラ的なクロスを持って生まれる方もいらっしゃいます。それを単なる玉の輿として見るか、それとももっと深い意味を見いだせるかは、アナリストの腕次第ですね。

また本書では、神話を「みだりに語ったり聞いてはいけないもの」と評しています。神話には深遠な智慧があり、気軽に世俗の手垢で汚してはいけない秘密だと言うのです。

僕自身のインカネーションクロスには「秘密を聞く者」というテーマがあります。秘密とは、過去の悲しいことや失敗など、他人にはあまり言いたくないことです。しかし自分の中にその秘密を抱えているうちは、そのプロセスは終わらず、苦しい思いを抱え続けてしまいます。誰かにその秘密を話すことで、その秘密を手放し、苦しいプロセスを終わらせられる。でも誰にでも話せる話ではない。僕には、その秘密を聞き出す個性があり、それが人生の目的らしいのです。たしかに「実は……」という話はよく聞いてきましたし、今もリーディングを通じて様々な秘密をお聴きしています。

僕がヒューマンデザインの中で、最初に食いついたのがインカネーションクロスだったのも、それが理由かもしれません。クロスという、自分最大の秘密を分析したい、という初期衝動でしょうか。今もクロスの分析が一番面白いですし、一番力が入りますね。あと、クロスの分析にはかなりの教養が必要だとも感じています。神話学はもちろん、心理学や生物学、歴史学社会学などの用語がぽんぽん出てくるので、気づかずにスルーするとその真意を見誤りそうで恐ろしいですね。これからも様々な分野に目を通しつつ、クロスの分析力に磨きをかけたいと思っています。

そう言えば長らく品切れだったジョーゼフ・キャンベルの「生きるよすがとしての神話」も今月、角川ソフィア文庫から復刊されるので買わねば、読まねば。

 

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