NO PLAN NOTE 

ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

【Whiskey】ブッシュミルズ ブラックブッシュ

普段まったく酒を飲まないし、まったく飲めないと思っていたのに、なぜか昨年秋ぐらいから、妙に酒を覚えたくなってきた。妙に『タモリ倶楽部』の酒回(両国の麦酒倶楽部ポパイに行く回とか)を何回も観直して、ああ、お酒を嗜むのも良いなあと思ったり。

するとタイミングが合ったのか、亡くなった叔父の遺品として、飲み残しのブランデーをもらったのだ。薄めにお湯で割って飲んでみると、意外と美味しく感じ、気分も悪くならない。よくよく考えれば、若い頃は「居酒屋でビールをジョッキで大量に飲む」文化から酒に触れ、それが性に合わなかったのだが、どうやら「少量の酒をゆっくり味わう」飲み方なら自分でも少しはイケるらしい。そう思ううち、徐々に酒への興味が増し、とうとう自分でもボトルを買ってしまった。しかもウイスキーである。

f:id:crystal0207:20170215220352j:plain

購入したのは、アイリッシュウイスキーの老舗ブッシュミルズのブラックブッシュ。なぜいきなりこれなのかと問われれば、かつて読んだ冒険小説『鷲は舞い降りた』に登場する、アイルランドの革命闘士リーアム・デヴリン(映画版ではドナルド・サザーランドが演じていた)が、故郷の酒ブッシュミルズをこよなく愛していて、この名前が記憶に刻み込まれていたからだ。値段も2580円とお手頃だったし。

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)

 

で、早速、お湯割りにして試してみた。ブラックブッシュは、シェリー樽で長期熟成させた原酒を80%使用し……とあるが、あいにくシェリー酒を飲んだことがないので、どのあたりがシェリーっぽいのか分からない。ただ、スパイシーさは強く、お湯で割ったのに「あ、なるほど!」と喉の奥で分かった。若い頃、初めてウイスキーを口にした時は煙臭く感じたが、嫌なスモーキーさも無く、これならつき合えるなあと。

f:id:crystal0207:20170216215024j:plain

で、翌晩はブラックブッシュをロックで試してみた。元々ウイスキーは、水やソーダで割るものではなく、本来の味を楽しむものらしい。しかしいきなりストレートもどうかと思い、とりあえずロックで恐る恐る飲んでみたのだが……これまた意外にイケたのだ。もちろん風味は強烈だったが、むしろ、この酒本来のスパイシーさも味わえたし、氷が溶けるにつれて香りも風味も薄くなってくると、物足りなさも感じてきた。やっぱりストレート寄りの方が良いなあと。

そして飲んでいる間は、他に何もしていなかった。ただテーブルの上のボトルを眺め、一口飲み、香りや風味を味わい、また一口飲む。ただ、それだけ。本も読まないし、音楽も聴かない。ビデオもインターネットも見ない。まるでバーカウンターで、一人グラスを傾けている状態。そんな時間を自分が楽しめたのも意外だった。

とは言っても、基本的に酒は強くないのだろうし、毎日飲む気もない。ましてストレス解消や、日々の憂さを晴らすために飲む気もない。時々、ナッツかドライフルーツでも囓りつつ、少量のウイスキーを嗜む程度で良いのだろう。若い頃うまく対処できなかった酒に今になって対処できるようになった、というだけでも、年齢を重ねた甲斐があったというものだ。人も酒も熟成が必要ということか、多分。

ブッシュミルズ ブラックブッシュ 700ml

ブッシュミルズ ブラックブッシュ 700ml