講談社現代新書の新刊「世界神話学入門」を読了。現代ではDNAの解析によって、人類の起源は700万年前のアフリカに端を発したとされ、そこから様々なルートで、人類はヨーロッパやアメリカや、この日本にも住み着いたとされています。当然、人類の神話も、人類がたどったルートに沿って拡散したのではないか、という仮説から、世界の神話を大きく「ローラシア型」(北欧神話やインド神話などに代表される叙事詩的な神話)と「ゴンドワナ型」(メラネシアやアボニジニに見られる個別ストーリー的な神話)に分けて解説した一冊です。日本神話については、ローラシア的なビッグストーリーもありつつ、ゴンドワナ型によく見られる物語も散見されているため、日本列島には南北から、別々のルートで人間も神話も入って来たのではないかと。
神話は、人類が持つ最も古い物語の原型(アーキタイプ)であり、どの民族をも惹きつける魅力があります。だからこそ、支配者はその神話的魅力を逆手にとって、自国民を善なる神の末裔としたり、敵勢力に対して悪魔のレッテルを貼り、戦争を聖戦化すると。またそういった善悪を当てはめるなら、壮大な物語や、善悪の決戦を織り交ぜたローラシア型の神話が適しているのも納得です。もちろん「スターウォーズ」も、ローラシア型神話から生まれたものでしょう。
ちなみにヒューマンデザインでも『人間は一人一人、自分の神話(=運命=インカネーションクロス)を持っている』としています。その運命とは、決して『こうだ』と決めつけるようなものではありません。ある程度の幅があり、実際どのようになるかは個人個人で違うものです。しかし、大きなテーマは共通しています。
僕自身も、その『個人の神話=インカネーションクロス』の分析に興味がありますし、リーディングを受けに来る方でも、クロスに興味をお持ちの方は非常に多いです。やはりそれだけ「神話」「運命」というワードには魅力があるのでしょうが、先にも書いたように、魅力があるだけに、その神話をお花畑的に、自分にとって都合良く解釈する場合もあり、注意が必要だなと感じています。
ヒューマンデザインの創始者ラーは、もっとはっきり『個人の神話=インカネーションクロスは、ネガティヴに伝えるべきだ』と言い遺しています。つまりその人の神話=運命を、楽しいもの、素敵なものとして伝えるなと。そうしないと、運命を都合良く解釈される危険性を知っていたのでしょう。僕も、インカネーションクロスについては、ある意味、日本語で言うところの「お役目」=面倒だけど向き合うべきテーマとして伝えるのが良いのかなと思っています。神話が持つ二面性と申しますか、功罪をよく理解することが必要かなと……
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