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作家 ヒューマンデザイン・プロフェッショナル・アナリスト 市川丈夫のBlog

スティーヴン・ウィット「誰が音楽をタダにした?」

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)

 

文庫版になった「誰が音楽をタダにした」を読了。ここ二十数年で、音楽産業はCD販売からストリーミング配信へと移り変わったわけですが、そこに至るまでには、技術革新と、音源を盗んで配信する海賊版集団の暗躍と、それに対抗する大手レコード会社の方針転換があって……という、なかなか生臭いドキュメンタリーでした。

本書を読んであらためて思ったのは『今の世の中には、他人の成果物を無料でバラまけるシステムがある』『そして無料で入手できるなら、その分野が滅ぶことを気にせず入手する人がいる』という事実です。最近、無料でマンガをネットに上げているサイトが問題になり、それが出版業界に致命的ダメージを与えているという話もありましたね。

たとえばヒューマンデザインのテキストも、誰でも買えるものがほとんどです。それをスキャンしたり、PDF版をそのままネットで流せば、特にリーディングを受けずとも、知識を得ることは可能です。あるいは、正規の授業を受けず、テキストだけをネットで無料で読み、こっそりとリーディングをやってお金を稼ぐことも可能です。ヒューマンデザインと銘打つとバレてしまうので、違う名前にして、さも自分が開発したように披露することも可能でしょう。実際、ヒューマンデザインから分派した、海賊版的な組織も海外にはあるようですし、英語圏ではもう、ヒューマンデザインというビジネスも岐路に立たされているのかもしれません。

まあ、日本語圏でも、いつそうなってもおかしくないわけですが、いくら禁止しようとしても、海賊版集団の方がうまくやるでしょうから、ここはむしろ、本書の大手レコード会社のように、ビジネスモデルの方針転換を図った方が良いのでしょう。

僕自身は、こういったことは、善悪で判断せず、状況を無理にコントロールすることもなく、なったらなったで対応するし、その混沌とした状況を楽しみたいのですが、生臭いことには関わりたくないのも事実です。あまり多くのお金が動くと、標的にされてしまいますから、むしろヒューマンデザインも、そんなに流行らない方がいいんじゃないかとも思ったり。まあ、それもコントロールできることではないんですけどね……