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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

井上教子「タロット象徴事典」

タロット象徴事典

タロット象徴事典

 

普段、手元に置いているタロット本・その2。井上教子さんの「タロット象徴事典」は、その値段に一瞬、躊躇したものの、これ一冊あれば十分とも言えるボリュームと詳解さに打たれて、購入しました。

本書で解説するタロットの図版は、中世イタリアのヴィスコンティ版各種から、マルセイユ版、ウェイト版と多岐に渡り、まさしくタロットの図象史事典として描かれた象徴を読み解き、照応する事物(惑星や星座、人体、花など)にも触れ、背景に潜む隠喩、ストーリーにも詳しく言及しています。

勿論、タロット占術の解説書としても有用で、大アルカナに関しては、「起こり得るできごと」(正・逆位置)を記したうえ、恋愛に関しては、「片想い」「交際中」「出会い」「結婚」と細分化したうえで正・逆位置の双方の意味合いを記しています。

小アルカナに関しては、コート・カードに「人物像」の解説を付し、その他のナンバー・カードは「起こり得るできごと」のみですが、それでも十分すぎるほどの解説量なので、解釈の幅がぐっと広がると思います。

他書では正・逆位置、ともに同じ意味とされる「ワンドの3」「ワンドの4」にしても、そのことに触れたうえで、双方の解釈を記しているのも特徴的。入門者向けの本では物足りなくなったり、よりタロット知識を深めたいなら、是非、目を通しておきたい一冊だと思います。