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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

エヴァ・ピエラコス「パスワーク」

パスワーク(新装版)―自己のすべてを受け入れ統合された意識で生きる

パスワーク(新装版)―自己のすべてを受け入れ統合された意識で生きる

 

先月末に購入した「パスワーク」をようやく読了。内容は、著者エヴァ・ピエラコス(1915-1979)がチャネリングで受けとった教え……と聞くと、眉をひそめる向きも多いかと思いますが、偏見を外した目で読むと、自分の内に潜むネガティブさと向きあうことを目的とした、心理理論書になっています。

人間は、家族や会社、友人、恋人とうまくつきあうために、理想の仮面を被っている。きちんとした人間でいよう。他人に理解を示そう。穏やかでいよう。多少嫌なことがあっても、我慢しよう。ワガママなんか言ってはだめ。キレるなんてもってのほか……そうして生きていれば、きちんとした人間になれるはず。

けれど、そんな向上心を持って生きていても、きちんとした人間に「見える」だけで、理想の仮面の下では、抑圧されたイライラ=ネガティブさが沸々と力を増している。理想の仮面こそ、実は重荷であり、仮面を被っているうちは分離に苦しみ、仮面を手放し、隠していたネガティブさと向きあうことで人は救われる。そのための自己探求の道を進む方法が、パスワークとのこと。

仮面を剥いだ自分は、自己中心的な人間だ、妬みっぽい、批判がましい、弱気だ、無気力だと、ネガティブさを受け入れる。しかしネガティブさは「真の悪」ではなく、ただ単に歪んだエネルギーに過ぎず、そのエネルギーを良い方向に向けることを説いています。宗教的な価値観から、「怒りは抑えるもの」と諭す本も数多く見受けますが、パスワークでは、安全な環境で怒りを爆発させることも必要だとし、ネガティブさを剥き出しにすることを許すあたり、非常に現実的だなと感じました。(安全な環境=カウンセラーが見守り、他者に迷惑が及ばない場所)

自分自身、人付き合いに悩んだ時期もあったので、我が事として読めたし、本来の自分を表現できない、表現することに躊躇がある方には、お薦めします。

実はこの「パスワーク」、長らく品切れだったのですが、先月「防御なき自己 パスワークを生きる」という新刊発売に併せて重版されました。この「防御なき自己」も読み終えたので、そちらの感想はまた明日。

防御なき自己―パスワークを生きる

防御なき自己―パスワークを生きる

  • 作者: スーザン・テセンガ,二宮千恵
  • 出版社/メーカー: ナチュラルスピリット
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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