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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」

積みっぱなしにしていた「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」を読了。古代カルデア人に始まり、現代に至るまでの人類の宇宙観をまとめた一冊で、宗教と科学の対立や、様々な宇宙論の考察の歴史が綴られています。

この宇宙に人間が生まれてくるには、途方もない偶然が重なる必要がある。人間にとって都合のいい宇宙を創ったものこそ、神に他ならず、人間のために宇宙がある、と説く人間原理は、科学的には否定され続けており、著者の青木氏自身、最初は「人間原理、毛嫌い派」だったと言うのもうなずけます。

ところが近年の多元宇宙論によれば、宇宙は10の500乗も存在し、僕らが住む宇宙はその中のひとつに過ぎないと云う説が生まれ、決して宇宙全体が人間のためにデザインされたワケではないと。

しかしだからこそ10の500乗分の1である我々の宇宙の特異性が際だったり、そもそも観測できない多元宇宙を語ることは科学なのか?と云う疑問もあり。こういったグレーゾーン的な科学検証にはワクワクしますし、否定され続けた人間原理をもって宇宙観が転換されると云うのも、興味深し。著者が訳された、人間原理天文学者マーティン・リースの本も近々読もう。

宇宙の素顔―すべてを支配する法則を求めて (ブルーバックス)

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