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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子 増補新装版」

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

 

前々から読もうと思っていた、リチャード・ドーキンス利己的な遺伝子」を購入。

ヒューマンデザインでは、遺伝子に言及する部分も多々ありますが、あいにく僕自身は理系に疎く、もっといろいろ本を読んだ方がいいなあと思いつつ、つい後回しに。そんな昨日、たまたま朝刊でドーキンス氏の「進化とは何か」の書評を目にし、なんとなくインスピレーションで、氏の処女作にして代表作「利己的な遺伝子」から攻めてみたくなったのです。

本書は約40年前に出版された現代生物学の古典ですが、なるほど読んでみるとヒューマンデザインと相通じる解釈が多く、インスピレーションの正しさを感じたり。

と言うのも本書の観点は「生物とは、利己的な遺伝子が操る乗り物に過ぎない」というもの。子供を産み育てる行為に関しても、愛情や母性といった言葉は使わず、あくまで遺伝子が自分のコピーを増やそうとしての利己的行為だ……と極めてドライに論じています。

実はヒューマンデザインでも「肉体は乗り物であり、自分という意識は後部座席に座った乗客である」という表現が用いられています。本人としては意識的に行動しているつもりでも、実は自分の中に、遺伝子のように自分を動かす力があり、それによって突き動かされているのだと。その力に抗って、自ら乗り物のハンドルを握ってしまい、人生をどうにかしようとすると悪戦苦闘してしまう。むしろ乗り物が動くままに人生をゆだね、ゆったり後部座席でくつろいだ方が良いとも教わります。

また本書では「子作り」と「子育て」を明確に分けて論じていますが、ヒューマンデザインでもこの2つを別個の個性(チャネル)として見ています。「子作り」する力は豊富だけど「子育て」する力が少ない方とか、その逆とか。ヒューマンデザインで論じられる恋愛や結婚も、時に非常にドライで、あくまで遺伝子的に惹かれ合っただけ、と断じられる場合もあります。そういった部分でも、とても参考になる一冊でした。

ただドーキンス氏自身は、スピリチュアル全般はもちろん、疑似科学代替医療に対しても強烈に批判的な立場なので、こういった文脈で自著が引き合いに出されるのは、はなはだ迷惑かもしれません。まあ、それを承知のうえでこの記事を書いているのも、僕自身の利己性なんでしょうね……