パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: 新書
- 購入: 58人 クリック: 1,188回
- この商品を含むブログ (71件) を見る
人間46年も生きてると、何度か「厄介な人」に出くわすものです。無茶な仕事を強要する人や、ミスをしてもそれを誤魔化し謝罪できない人、あるいは泣き落としで同情を買おうとする人、学歴や知識を武器にパワハラをする人等々。
最近、僕の身近でも、またそういった人が増え始めたので、6月あたりからパーソナリティ障害に関する本を読み、その理解を進めています。「厄介な人」にあれこれされると、ついその人を憎んでしまいがちですが、ああこの人って病気なのかもしれないと分かれば、行動パターンもある程度予測でき、あらかじめ対処方も準備できますしね。
パーソナリティ障害がわかる本: 「障害」を「個性」に変えるために (ちくま文庫)
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/08/06
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
ただその厄介さが「それはある種の個性なの?それとも治療が必要な障害なの?」という判断はシロウトには難しく、僕が周囲の人を見る場合はあくまで「その可能性がある」という程度に留めています。健康的ならパーソナリティスタイルという個性となるし、不健康ならパーソナリティ障害という病になる。そのボーダーを見極めるには、専門的な知識と経験が必要なんでしょうね。
もっとも周囲のシロウトが判断できないからこそ、攻撃的な人が野放しにされたまま、周囲に迷惑をかけ続ける場合もあり、難しいところです。特に自己愛性パーソナリティ障害(病的なまでのナルシシスト、自分が正しいと思い込んでいる)だと、自分の病を認めないことが多いんだとか。また攻撃的な人に責め立てられ、逆に周囲の人の心が病んでしまう……というケースもよくありますよね。僕自身も覚えがありますが、自責の念が強まりすぎて「あれっ、もしかして悪いのは俺だったの?」と思い込んだり。
- 作者: 日本精神神経学会,高橋三郎,大野裕,染矢俊幸,神庭重信,尾崎紀夫,三村將,村井俊哉
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2014/06/30
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
しかしかくいう自分も、シゾイドパーソナリティ障害の可能性があるなあと感じました。 シゾイドパーソナリテイ障害とは、対人接触を求めず、異性もあまり必要とせず、孤独に暮らす……のだそうで、まさに自分だなと。
まあこれもシゾイドパーソナリティスタイルという個性として健康的に確立されていれば、禁欲的に生きる隠者になるのだそうです。たしかに昔から僕は、親にも友人にも編集者の方にも「あなたは欲がない」と言われ続けて来ましたが、ほんと、他の人に比べて出世欲、名誉欲、金銭欲、物欲、性欲が妙に少ないんですよ。そのためこの個性スタイルを持つ人は、お坊さんに向いていると言われますが、僕も時々そう思いますね。自分だったらお坊さんの修行、できるかもなと。(実際は大変なんでしょうけど)
まあ精神的に不安定な人が多い昨今ですし、自分の個性が健康的に発揮されているか、それとも不健康になりつつあるのか、それを自覚する意味でも、パーソナリティ障害について学ぶことは有意義だと感じています。