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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

加藤諦三「大人になりきれない人」の心理

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)

 

以前、仕事で「私を最優先にしてください」と仰る方がいた。いやこちらも他の仕事があるから……と答えても「なんとかなりませんか」と言うし、外出中も携帯に連絡してきて「何時に帰りますか?帰ったら電話で打ち合わせしましょう」と言う。最初はそれを仕事熱心さと勘違いしていたが、その割には仕事の能率が上がらず、こちらに休むヒマも与えぬブラック企業的なやり方にとうとう我慢できず、縁を切ってしまった。仕事としても見返りの少ないもので、へとへとに疲弊したのを覚えている。

しかしいったいあの人は何を考えてそんなことを……と思ったが、「大人になりきれない人の心理」を再読してはたと気づいた。

あの人は、本書で言うところの「5歳児の大人」だったのだ。外見は大人だが、心理的には5歳児。何か問題が起きても、心理的には子供なので対処能力はなく、誰かを頼るしかない。その誰かとは、その人を最優先にして助けてくれるママなのだ。

子供が夜泣きしても、ママは起きてきておっぱいを与えてくれる。おむつが濡れたら、お尻を拭いてくれる。よちよち歩きしただけでも「よくできまちたねー」と褒めてくれる。そういうママを、母親がくれる無償の愛を、あの人は僕にも求めていたのだ。

でも、あいにく僕はママではない。無償の愛を要求されても、返すことはできない。なにしろ相手の外見は大人なのだから、母親のような愛を返す必要もないし、ある程度自分のことは自分でしろよと思ってしまう。こっちにも都合があるんだよとも言う。ちょっとのことでは褒めないし、相手のミスを指摘する場合もある。

インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法

インナーチャイルド―本当のあなたを取り戻す方法

 

しかし5歳児にとって、それは耐えきれない。自分が欲しいと言ったら、文句も言わず最優先で無償の愛を与えて欲しい。それが得られれば、5歳児は満足し、完結する。そこから先、受け取った愛を返せる能力はないので、エネルギーは一方通行になる。愛を与えた相手はとうとう疲れて、その人から離れていく。実際、その人と縁を切った方も複数いたので、なるほどなあと。

そして最近も、わがままに振る舞う人を見て、ああこの人も中身は5歳児だったんだと気づいた。道理で、いくらアドバイスしても受け容れられないはずだ。5歳児には、論理的な助言が理解できないし、実践することはもっとできない。

でも本人は、大人のふりをしている。自分の過大な要求を通すために、一応理屈も口にするが、そこはやはり5歳児。理屈は破綻しているし、辻褄も全然合わない。5歳児のやることなので社会的成果も上がらない。せめて自分の中の5歳児に気づけば良いのだが、向き合おうともしない。

しかし抑圧され続けた幼児性は、やがて「もう無理ー!」と悲鳴をあげ、無意識に暴れ出していく。周囲の人たちは、そのわがままさから逃げ、最後には誰もいなくなる。あるいは距離を置きつつも、その5歳児が持つお金や権威をビジネスライクに利用する人しかいなくなる。うん、幸せな人生ではないね……と思った射手座新月

ヒューマンデザイン―あなたが持って生まれた人生設計図

ヒューマンデザイン―あなたが持って生まれた人生設計図

 

ヒューマンデザインには「Love Yourself=あなた自身を愛してください」という大きなテーマがあります。自分は心理的には5歳児だった、インナーチャイルドを抑圧していた、と認めることも「Love Yourself」です。それを認めるところから癒やしや成長が始まるので、決してスルーしてはいけないとも感じます。人が健康的に生きるうえで、とても大事なことだと思うのです、自分の幼児性と向き合うことは。

 

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