ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史
- 作者: デヴィッド・クリスチャン,シンシア・ストークス・ブラウン,クレイグ・ベンジャミン,長沼毅,石井克弥,竹田純子,中川泉
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2016/11/13
- メディア: 大型本
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前々から読みたかった「ビッグヒストリー」を購入しました。宇宙誕生から現在までの138億年の宇宙史の中で、人類が生まれ、飛躍的に発展したいくつかのポイントを「スレッショルド(閾・しきい)」として捉え、解説した一冊です。本書では、原生人類のひとつだったホモ・サピエンスが音声コミュニケーション能力を獲得し、経験的知識を集積・共有し始めたことを契機に、農業や産業革命というスレッショルドを経て発展し、今また新たなスレッショルドに向かっているとしています。科学や歴史を統合して人類を解き明かした一冊で、さながら基礎教養の固まりですな。
で、なぜ「ビッグヒストリー」が読みたかったかと言えば、実はヒューマンデザインにも、人類史を俯瞰するグローバル・サイクルという時代解釈があるのです。 下のチャートでは紀元前16513年~西暦3674年という長大な時間が、約3300年毎に大きく区切られ、さらに約400年毎に細分化されています。この区分毎に時代的テーマがあると言われているので、そのテーマが「ビッグヒストリー」から読み取れるかなと思いまして。
The #HumanDesign System: What Are Global Cycles? | Jovian Archive https://t.co/zS3hjE4kyN pic.twitter.com/0GNKF6AYfp
— Andrea Abay-Abay (@HumanDesignLife) 2016年7月5日
例えば上のチャートの最初の区分、紀元前165000年~紀元前13200年を「ビッグヒトスリー」と照合すると、旧石器時代かつ最終氷期の終わりであり、地球が急激に温暖になった頃です。氷河期を生き抜いた人類が、狩猟採集生活を定着させた頃でしょうか。さらにこの区分と「ビッグヒストリー」を照らし合わせて見ると……
紀元前13200年~紀元前9900年:狩猟採集から農耕への移行。
紀元前9900年~紀元前6600年:初期農耕時代。
紀元前6600年~紀元前3300年:権力の登場。
紀元前3300年~紀元前33年:都市や国家の出現。
紀元前33年~現在~西暦3260年:文明の発展。
とまあ、グローバルサイクルが示す時代区分の意味も、なんとなく浮かび上がって来るのです。各サイクルの意味については、いずれまた。
そしてさらに細かく見れば、僕らが今生きている時代は、西暦1615年~西暦2026年という小区分にあり、その時代の節目まであと10年ということになります。西暦1615年と言えば、日本では大坂夏の陣で豊臣家が滅び、徳川幕藩体制が盤石になった年でもあります。実はそこから「滅私奉公」的な、個人を殺して共同体に奉仕する時代が始まったと解釈できますし、その時代がもう終わりつつあるとも読み取れます。その時代の節目で、何かまた人類に「スレッショルド」的なことが起きるのか、あるいは「マルサス的サイクル」=急激な拡張の後の衰退が起きるのかどうか、それを観察するのも、ヒューマンデザインの学びのひとつだと思うのです。