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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ「自発的隷従論」

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)
 

久しぶりに一般的な読書。16世紀フランスの法官ラ・ボエシによって書かれた「自発的隷従論」を購入。一人の圧制者の下に、なぜ多くの人々が従ってしまうのかという問題を、圧政側の原因はもちろん、民衆側も隷従することが習慣として身についてしまい、その状況を受け容れていると解いている。しかし結局、圧制者にしろ、その取り巻きにしろ、ロクな人生にはならないという「天罰」的なまとめ。

なぜ本書を読んだかと言えば、人類の70%であるジェネレイターという働き者タイプは自己価値が低いため、不健康(Not Self)になってしまうと『私も、誰かのために働けば、自己価値が上がる』と思い込む場合があるそうな。その不健康さから、誰かにこき使われたとしても『でも、これも誰かのためになるから』と信じ込んでしまえば、こういった自発的隷従状態に陥ってしまうのではないか……と思ったので。

そしてジェネレイター以外の、非労働的な3タイプ……マニフェスタープロジェクターリフレクターにしても、働くことに憧れてしまうと、誰かのために働いたり、隷従を受け容れてしまうのではないかと。となると「隷従」という問題は、すべてのタイプに共通する病かもしれないなあと思ったり。まだ今の人類(ホモ・サピエンス)は、隷従から脱する域に達していないが、2027年以降に生まれてくる人々(レイヴ)は、そういった隷従などまったく受け容れないだろう。いずれ「自発的隷従」なんぞ、古い時代の悪しき習慣として葬られる日が来るのではないか……