NO PLAN NOTE 

ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

【読書】セルジュ・ラトゥーシュ「脱成長」

明日からの大阪リーディングツアーの準備をしつつ、連休中最後の読書。フランスの経済哲学者、ラトゥーシュの「脱成長」を読みました。GDPや売り上げ等の経済指標を伸ばすことを崇拝せず、つつましく節度ある豊かな社会を目指すという思想です。今流行のSDGs(持続可能な開発目標)と同じようにも思えますが、そちらについては矛盾しているし非現実的だとして一線を画しています。この「脱成長」的な意識は、ヒューマンデザイン的にも、これからの時代を生きていく上で参考になるんじゃないかと感じました。

ヒューマンデザイン的に言えば、今現在、冥王星60番ゲート「制限・限界」にあり、2024年以降は41番ゲート「収縮・減損」に入ります。つまり今年来年は頭打ちの時期であり、2024年以降はあらゆるものが減っていく時期に入ります。恐らくはここから先、2027年という時代の節目に向けて、世界的に景気も落ち込み、物資やエネルギーも減っていくのでしょう。そもそもヒューマンデザインでは、2027年以降は人口が減ると言われていますしね。

実際に日本の人口も30年後には、現在の1億2500万人から、9500万人へ減るそうです。当然、経済規模も縮小し、お店や公共サービスも減っていくのでしょう。でもそれは日本で言えば1950年代の人口に戻るだけですし、悪いことばかりでもないはず。つつましく暮らさざるを得なくなれば、一年間に何百万トンも食料を廃棄したり、空き家が10万軒もあるのに家やマンションを新築しまくったり、心身を壊すようなブラック労働をする現状を見直すことにもなりますしね。

しかし不健康的(Not Self)な人たちは、そういった冥王星「限界」「収縮」というエネルギーを不快に感じてしまうでしょう。特に経済成長に取り憑かれ、もっと稼ごう、もっと増やそうとしても上手くいかず、苦しむことになると思われます。

むしろ健康的な(True Self)な人たちは「脱成長」的に、経済的に頭打ちになったり、物資やサービスが減っても、それはそれとして、つつましく穏やかに暮らせるのではないでしょうか。実際、2年前にコロナ禍が始まり、外出制限が課された時も、僕自身あまり気にならなかったし、それを受け容れているお客さんも多かった印象です。

この連休中は、皆さんも久しぶりに旅行に行かれたでしょうが、このまま以前の日常が戻ってくるかどうかは、僕は怪しいと思っています。またコロナのような病気が流行るのか、戦争が拡大するのか、経済的な危機になるかは分かりませんが、いずれまた「制限」を課される時期が来るんじゃないかと。その時、不快に感じるか、それを受け容れるかで、冥王星の影響を確認できると思いますよ。