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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

【ヒューマンデザイン】ヒューマンデザインを「自己正当化」に利用しないように

「自己正当化という病」を読了。世の中でよく見かける、『私は悪くない』と言い張り、自分以外の他人や環境のせいにする心理的な病=「自己正当化」についての考察です。まあ、沢山いますよね。「謝ったら死ぬ病」とも言いますが、とにかく謝れない人って。あと、無限にイイワケが出てくる人とかね。

しかしこう言っちゃなんですが、ヒューマンデザインって「自己正当化」にものすごく利用しやすいツールなんですよ。たとえば『俺はマニフェスターなんだから、俺が知らせたことには抵抗するな』とか『私はプロジェクターなんですから、私の導きに従ってください』とか言えるわけですよ。それで反抗されたら『あなたは不健康なNot Selfだ。あなたは、私のことがわかっていない』『私の方がヒューマンデザインの知識があるんだから、私の方が正しい』とか何とか言い返せるんですよ。これほどイイワケがましく使えるツールが今まであったでしょうか(いやない)。

たしかに、本人は自分らしく生きているのに、周囲の人たちが不健康(Not Self)なために、その特別な個性に対して難癖をつけられる、というケースはままあります。それは可哀想な例ですし、そのようにして本来の個性を殺され、条件付けられてしまうのです。

しかし逆に、本人が不健康(Not Self)なのに、周囲の人たちが健康的(True Self)で『それはいかがなものですか』と注意される場合だってあるでしょう。それを『いや、私は悪くない』『これが本来の私なんですから、受け容れてください』と言われても、ただ単に人が離れていくだけでしょう。しかしその現実も直視できず『離れていったあの人たちが悪い、Not Selfだ』と思い込んでしまう可能性だってあるのです。

結局、自分がNot SelfかTrue Selfか、相手がNot SelfかTrue Selfかなんて、明確には判断できないんですね。もちろん「満足か不満」「平和か怒り」「成功か苦味」「驚きか失望」がありありと表れていれば分かるかもしれませんが、「満足か不満」「平和か怒り」は表れやすいものの、「成功か苦味」「驚きか失望」は本人でないと自覚しにくいでしょうし、無自覚な場合だってありますからね。本書でも「無自覚型のナルシシスト」が「自己正当化」に陥りやすく、本人が自分の「不満」「怒り」「苦味」「失望」に無自覚だった場合、それを治療するのは困難でしょう。。

まあ、結局これは目に見えない世界のお話ですから、白黒はっきりと断定はできず、あくまで抽象的にしか理解できないものです。僕だってヒューマンデザインをまる10年学んで、一応「平和」は感じていますが『市川さんはTrue Selfですか?』と訊ねられたら『多分ね』としか言えないんですよ。そんなもんです。

また本書では「自己正当化」をこじらせる要因として「強い特権意識」「過去の成功体験」「想像力の欠如」「甘い現状認識」が挙げられています。

これだってヒューマンデザインで言えば、沢山の知識を知れば「特権意識」になるでしょうし、リーディングをして誰かから感謝されればそれが「成功体験」にもなるでしょう。そういう意味では、僕もアナリストという資格を取り、リーディングが上手くいった経験や、自分で「平和」を獲得した経験がありますから「自己正当化」に陥る危険性もあるわけです。もし僕が『俺には知識があるんだから、俺が正しい』『俺は平和を感じているんだから、俺は正しいしTrue Selfなんだ』とか言いだしたらヤバイですね。そもそも自分で自分のことをTrue Selfとか言ってアピールしている段階でかなりイタい認知厨じゃないですか。でも突き抜けたナルシシストになると、自分のイタさにも鈍感でしょうし、それすらも本来の自分(True Self)だと思い込むかも(^_^;)

また本書では「暗点化(Scotomisation)」という現象が紹介されていますが、これは自分にとって都合の悪いことが意識に上がってこないよう、見たくないものを無意識に見ない心理メカニズムだそうです。これも「自己正当化」に陥った人によく見られるそうで、それが「甘い現状認識」や「想像力の欠如」にも繋がると。

そう、謝らない人たちって、自分が謝らなかった場合にどうなるか想像しないし、それを想像したくもないんでしょうね。そしてイイワケをするにしても想像力が欠けているので、周囲から『いや、そんなイイワケ通用すると思ってんの?』みたいなイイワケをしてしまうのでしょう。しかし「特権意識」や「成功体験」が強ければ『私がそう言っているんだから、それを受け容れろ』とか思っちゃうんでしょうね。

https://twitter.com/raurufu_bot/status/1611953581611188226

ちなみにヒューマンデザインでは、54番ゲート「野心・乙女の結婚」は成功だけを覚えていると言われています。逆に、チャネルの反対側の32番ゲート「持続・継続」は失敗だけを記憶しているそうです。この2つのゲートが32-54「変容」チャネルとしてつながっていれば、仕事や結婚に関する成功も失敗も覚えていて、上手く社会的立場を変えていけるのでしょう。しかし54番ゲート「野心・乙女の結婚」しかなければ、仕事や結婚の成功体験しか記憶しておらず、仕事で失敗したことや、離婚したことなんて忘れてしまったり、無意識に「暗点化」させるのかもしれませんね……

 

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