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ヒューマンデザイン・アナリスト 市川丈夫のBlog

【読書】「先生、どうか皆の前でほめないで下さい ーいい子症候群の若者たちー」

昨年発売された「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」を読了。今時の若者を分析した本ではあるものの、単なる印象論ではなく、大学教授である著者が実際に向き合った学生たちを国際比較した上での世代分析論になっています。

本書で言われる「良い子になりたがる」という現象は、ヒューマンデザイン的には太陽神経叢センターが未定義の人(人類の約50%)に見られるNot Selfです。感情的なもめ事を避けようとして『だったら自分がガマンすればいいや』と自分の感情を殺すわけですね。また「自信がない」という現象についても、自己肯定感が不確かなハートセンターが未定義の人(人類の65%)に見られるNot Selfです。さらに「自己紹介が苦手」という現象は、アイデンティティが不確かなGセンターが未定義の人(人類の50%)に見られるNot Selfです。

しかしこれはいずれも、世代に関係なく見られる現象ですので、ヒューマンデザイン的にいえば、特に今時の若者に限った症状では無いのかなと。もちろん星の配置によっては、そのあたりのセンターが未定義で生まれてくる人が多かった年代もあるでしょうが、そこまでは割り出せないのでなんとも……

ただ、本書で言われる「浮きたくない=目立ちたくない」という現象は、「個人性」をこじらせているのかなと感じました。ヒューマンデザインでの「個人性」とは、社会や家族より自分自身を優先したり、他人とは違う生き方や言動で目立つ性質です。ある意味ワガママですし、個人性が強いデザインなら自分優先になるのは悪いことではありません。

ただ、社会全体=集合体からすると、自分勝手に生きる個人性は良くないものとして見られる場合があります。その社会的な制裁を嫌がって、自分の個人性を抑え込もうとしているのかもしれませんね。

ちなみにチャート上で世代を見る場合は、遠い惑星……冥王星海王星を見ます。たとえば冥王星は、1988年12月から1番ゲート「自己表現」に入り、1990年12月には43番ゲート「自己洞察」に入り、1992年12月には14番ゲート「パワースキル」に入り、1995年1月には34番ゲート「パワー」に入り、1997年12月まで滞在していました。この蠍座中盤から射手座前半にまたがる4つのゲートは、いずれも個人性のゲートです。つまりこの1988年12月~1997年12月に生まれた人たち……今現在、35歳から25歳の人たちはほとんど、冥王星が個人性のゲートに入っていますし、デザインの奥底に個人性のパワーを秘めている世代とも言えます。

その年代は個性が強く、ある意味ワガママなのでしょうが、それを後輩として見て育った今現在の大学生たちは『私はあんな風に個性的に生きられない』とプレッシャーを感じているかもしれませんね。

さらに冥王星は、2007年12月から同じく個人性の10番ゲート「自己の振る舞い」に入り、2010年1月まで滞在していました。この時期に生まれた方は、今現在、15歳~13歳、中学生ぐらいですかね。つまり今現在の大学生からすれば、年下の世代もワガママな人が多く、下の世代からの突き上げ的なプレッシャーも受けている可能性があります。

とは言え、今現在35歳~25歳、15歳~13歳の世代にしても、冥王星が個人性に入っているわけですから、自分の奥底にそのようなワガママさが眠っていることに気づかず、そのワガママさを封印しているがゆえに、それをこじらせているとも言えます。本当はワガママに生きたいけれど生きられない、という葛藤を抱えているのは、その2つの世代ではないでしょうか。

また海王星は、1994年1月から個人性の61番ゲート「神秘」に入り、続いて1996年2月から個人性の60番ゲート「制限」に入り、1999年1月まで滞在していました。この時期に生まれた、今現在29歳~24歳の人は、自分の個人性が神秘のベールに隠され、よくわかっていない、とも解釈できます。

時代的にも、2027年以降は個人性の時代になると言われていますが、だからこそ時代的なプレッシャーとして、独特な一個人として独立して生きるプレッシャーを受けている人もおられるでしょう。こういった世代分析や、時代の変化は、引き続き観察していきたいと思っております。

 

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